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売上は伸びたのにマージンが崩れる理由:Kブランド400社の実態調査

Kブランド400社の調査で見えた値崩れと並行輸入のリスク。売上の損失を測定し、対応の成果を金額に換算する方法をまとめました。

Jinie Park4分で読めます
目次7
  1. 成長が加速するほど、ブランドのリスクも速く広がります
  2. 400社のブランドに共通する3つのリスク
  3. ブランド運営で繰り返される4つの課題
  4. 5つの質問で探る値崩れの原因と、守った売上
  5. ウェビナーが示したブランド運営の3つの基準
  6. つながったデータから始まるブランド運営
  7. FAQ|ブランド運営とリスク管理

Kブランドのグローバルな成長は、さらに加速しています。韓国コンテンツ振興院によると、韓流産業の輸出が1億ドル増えると、化粧品・食品・観光といった関連産業の輸出は2億200万ドル増えます。(韓国コンテンツ振興院、韓流産業の輸出の経済効果)

一方で、韓国企業の知的財産権を侵害したグローバルな模倣品の取引規模は、2021年時点で97億ドル、当時の為替レートで約11兆ウォンと推計されています。(OECD, Illicit Trade and the Korean Economy)

8月5日、MarqVisionはKブランド400社の調査データとBrand Intelligence Agentのライブデモを通じて、成長するブランドが直面するリスクと新しい運営のあり方を取り上げました。

ウェビナー60分の全編アーカイブを見る →

成長が加速するほど、ブランドのリスクも速く広がります

コンテンツを通じてブランドが知られるのと同じ速さで、非公式の出品者や模倣品業者もすばやく動きます。

ウェビナーで紹介したあるKビューティーブランドは、東南アジアに正式進出してからわずか1か月で、非公式の出品者による大量のダンピングに見舞われました。公式販売価格より30%安い価格が定着したことで、現地の流通パートナーとの価格秩序が崩れ、結局、進出から1年でその市場から撤退しました。

このように、グローバル市場でKビューティーを脅かす並行輸入は、短期的な値下がりにとどまらず、ブランドの信頼や市場への進出戦略にも影響を与えます。

400社のブランドに共通する3つのリスク

400社の調査では、業種や企業規模が違っても、共通する3つのギャップが見えてきました。

1つ目:損失がひとつの数字で管理されていない

経営陣の回答者の57.7%は、模倣品と非公式流通による損失を把握するのが難しいと答え、70.7%はこうした損失を定期的に測定していませんでした。

2つ目:意思決定のスピードが、脅威の広がりに追いついていない

回答企業の41.8%は、広告で獲得した顧客のうち5%以上が非公式の販売チャネルに流れていると答えました。複数のチームがデータを集めて報告しているあいだにも、顧客と売上の流出は続きます。

値崩れや無断販売にすばやく対応するには、まず並行輸入対策ソリューションで、チャネル・商品・出品者ごとの状況をつなげて把握することから始める必要があります。

3つ目:脅威の生成と拡散がAIで自動化されている

回答企業の70%が、AIを使ったオンラインの脅威を経験していました。最も多かった手口はディープフェイクではなく、検知を逃れるために価格や画像を少しずつ変える販売行為でした。

AI技術で進化したブランド保護戦略が必要な理由もここにあります。脅威が自動化された以上、検知と対応のやり方も変える必要があります。

ブランドインサイト 損失が測定されなければ、ブランド保護はコストとしてしか報告されません。ブランドリスクを経営課題に変えるには、まず売上と営業利益への影響を数字で示す必要があります。

ブランド運営で繰り返される4つの課題

2つ目のセッションでは、400社のブランドのローデータをもとに、実務で繰り返される運営の課題を4つにまとめました。

① 価格の死角 市場価格がどこで崩れているのかを、適切なタイミングで把握できていません。価格を直接コントロールするより先に必要なのは、市場を正確に見通せる可視性です。

② トレンド分析の限界 価格・出品者・レビューといった外部のデータは収集の段階で止まり、プロモーション・卸値・在庫といった社内のデータはチームごとに分かれています。

③ スピードの格差 脅威の生成と拡散は自動化されたのに、発見から確認、権利行使までは今も人が1件ずつ処理しています。

④ 証明の空白 権利行使の記録は残っても、その対応でどれだけの売上を守り、どれだけの損失を防いだのかは説明しにくいのが現状です。

この4つは、それぞれ別々の問題ではありません。市場の変化を見つけ、原因を分析し、対応したうえで、その成果を証明するというひとつの運営のプロセスが、あちこちで途切れているということです。

これを解決するには、外部の価格・出品者・レビューのデータと、社内のプロモーション・供給・在庫のデータをつなげ、分析結果を対応と成果の測定まで結びつけられる必要があります。Brand Intelligence Agentが見落としやすいシグナルを見つける方法でも、こうしたデータの連携がブランド運営をどう変えるのかをご確認いただけます。

このつながりの仕組みが実際の業務でどう機能するのかは、続くライブデモで確認しました。

ブランドインテリジェンスの導入で期待する価値の1位が「売上への影響を数値化するダッシュボード」だったのも、そのためです。Brand Intelligence Agentが見落としやすいシグナルを見つける方法も、散らばったデータをつなげて対応の成果を説明するところから始まります。

5つの質問で探る値崩れの原因と、守った売上

セッションの後半では、架空のブランド「ルナケア」を使ってBrand Intelligence Agentのライブデモを行いました。

シン・チョルリョン(Shin Cheol-ryong)PMがBrand Intelligence Agentに5つの質問を投げかけると、エージェントは外部の価格・出品者データと社内のプロモーション・供給データをつなげ、次のような答えを示しました。

  • 値下がりを引き起こした原因
  • 複数のチャネルで繰り返し販売している非公式の出品者
  • 権利行使の履歴を反映した対応の優先順位
  • 過去6か月間の対応で守った売上1億8,400万ウォン
  • 経営陣への報告用の分析レポート

ブランドインサイト 対応件数、つまり非公式の出品者を何件見つけて権利行使したかは、対応の活動量を示す指標です。その対応でどれだけの売上を守ったかは、ブランド保護が生み出した事業成果を示します。(※デモで使用したブランドと分析結果は架空のシナリオにもとづいて構成したもので、400社のブランドの調査結果とは別のデータです。)

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ウェビナーが示したブランド運営の3つの基準

1. ブランド保護は経営課題であるべきです

権利行使の件数だけでは、投資の必要性を説明しきれません。対応の成果を売上と収益に結びつけてこそ、経営陣の意思決定につながります。

2. 問題は認識不足ではなく、判断に使えるデータの不足です

ほとんどのブランドは、値崩れや非公式流通が重要な問題だと理解しています。足りないのは、原因と売上への影響を説明できる、つながったデータです。

3. AIの差は、つながったデータから始まります

外部チャネルのデータと社内の運営データがつながれば、質問への答えがそのまま判断材料になります。データが散らばっていれば、同じ質問でも、複数のチームが何日もかけてデータを集める仕事になってしまいます。

つながったデータから始まるブランド運営

ブランドのリスクを見つけるだけでは十分ではありません。外部の価格・出品者・レビューのデータと社内のプロモーション・供給・在庫のデータをつなげてこそ、原因を見つけ、対応の優先順位を決められます。

そして、その結果を売上と収益に換算できてこそ、次の意思決定と投資につながります。

Kブランド400社のデータが示した差は、より多くのツールではなく、質問にすぐ答えられるようにつながったデータにありました。

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FAQ|ブランド運営とリスク管理

Q. 模倣品と並行輸入による損失はどう測定すればよいですか。

チャネルごとの価格、非公式の出品、出品者、権利行使のデータをひとつの基準でつなげる必要があります。そこに値下がり、顧客の流出、推定販売数を組み合わせれば、売上と収益性への影響を算出できます。

Q. 並行輸入への対応はどこから始めるべきですか。

値崩れが大きい商品とチャネル、そして複数のチャネルで繰り返し現れる出品者から確認しましょう。外部の価格データと社内のプロモーション・供給の条件をつなげれば、通常の値引きなのか、在庫が流出している可能性があるのかを見分けられます。

Q. AIを使ったブランドへの脅威はどのような形で現れますか。

価格や画像の改変、模倣品の出品の大量登録、なりすましのチャットボットや複製されたウェブサイトなどの形で現れます。400社のブランドの調査では、検知を逃れるための価格や画像の改変が最も多く見られました。

Q. ブランドリスクへの対応を、経営陣にどう説明すればよいですか。

「何件に権利行使したか」から「どれだけの売上と収益を守ったか」へと、報告の基準を変える必要があります。対応の成果を金額に換算すれば、ブランド保護をコストではなく経営の成果として説明できます。

執筆者

Jinie Park