ブランドがShopeeで知的財産権を行使する方法(2026年8月)
2026年8月版のこのガイドでは、Shopeeでの知財侵害の申し立て方法、必要書類のそろえ方、東南アジアの各市場で権利行使を拡大する方法を解説します。

Shopeeは、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、台湾、ブラジル、メキシコ、コロンビア、チリでそれぞれ現地のマーケットプレイスを運営する、東南アジア屈指のECプラットフォームです。成長著しく、エコシステムの動きも速いのが特徴で、現地の出品者、アフィリエイトマーケター、ライブ配信のクリエイターが、絶えず変化するショッピング体験をつくり出しています。
ブランドにとって、Shopeeはチャンスであると同時に、複雑さも抱えています。大きな露出を得られる一方で、複数の地域にまたがって知的財産を監視し、権利を行使するという新たな課題も生じます。世界の貿易環境の変化を受けて模倣品業者が東南アジアを狙う動きを強めるなか、この地域で事業を広げ、守ろうとするブランドにとって、Shopeeの仕組みを理解することは欠かせません。
要約:
- Shopeeは国ごとに独立したマーケットプレイスを運営しているため、シンガポールで削除しても、ベトナムやマレーシアの同じ出品は削除されません
- 申請する国ごとに、知的財産を現地で登録しておく必要があります。自国の登録だけに頼ると、Shopeeの各国の審査チームに申請を却下されたり、後回しにされたりします
- 申請はbrandportal.shopee.comのShopee Brand IP Portalから行いますが、案件は国ごとの審査チームが個別に処理します
- 出品者は申請後に異議を申し立てることができるため、最初にどれだけ証拠をそろえられるかで、案件が進むか止まるかが決まります
- MarqVisionはAIによる検知でShopeeの全市場を同時に監視し、Shopeeの各国チームとの直接の関係を生かして権利行使を迅速化します
市場ごとに分かれたShopeeのマーケットプレイス
Shopeeの大きな特徴のひとつは、単一の統合されたマーケットプレイスではないことです。国ごとに独立したサイトを運営しており、出品、出品者、権利行使の手続きはそれぞれ別です。つまり、ベトナムで出品された模倣品がタイで自動的に削除されることはなく、権利行使は市場ごとに進める必要があります。
さらに、ShopeeはShopee International Platform(SIP)による越境販売に対応しているうえ、アフィリエイトのストアやライブコマース機能「Shopee Live」を通じた販売も積極的に後押ししています。こうした機能は出品者の事業拡大を容易にする一方で、模倣品業者が短期間で侵害品を複製し、複数の国に流通させることも容易にしています。
権利行使の難しさは、Shopeeの市場ごとに異なります。たとえばベトナムでは知的財産法にもとづく独自の知財制度があり、プラットフォームへの申請の審査や解決に手続きが加わることがあります。シンガポールではすぐに通る申請が、ホーチミンでは何週間も止まることもあります。ベトナム、インドネシア、フィリピンで事業を展開するブランドは、現地で登録した知的財産権が削除を成功させる大きな支えになることも押さえておくべきです。自国の登録だけに頼ると、申請が却下されたり後回しにされたりすることがあります。法域ごとの商標侵害への権利行使を理解することは、こうした違いに対応し、地域全体で削除の成功率を高めるための最も確実な方法のひとつです。
Shopeeで知財侵害を申請する方法
Shopeeでの権利行使は、Shopee Brand IP Portalから行います。ログインと申請の窓口はひとつにまとまっていますが、各申請は、侵害出品が掲載されている市場の国別チームが審査します。手順は次のとおりです。
ステップ1:必要な書類をそろえる
- 知的財産権の証明:商標、著作権、特許、意匠の登録証
- 国ごとの登録:出品が掲載されている国で、知的財産権が有効である必要があります
- 委任状:自社が知的財産権者本人でない場合に必要です
ステップ2:Brand IP Portalにログインする
brandportal.shopee.comにアクセスしてアカウントを登録し、知的財産権の書類をアップロードします。あわせて、権利が有効な国を指定します。
ステップ3:申請を提出する
- 侵害出品のURLをアップロードします(Excelファイルや文書で)
- 違反の種類を選び、裏付けとなる証拠(スクリーンショット、製品の比較など)をアップロードします
- 出品がどのように知的財産権を侵害しているかを説明します
- 該当する法域で知的財産権が登録されていることを確認します
申請は通常、Shopeeの国別のトラスト&セーフティチームが審査します。出品者が異議を申し立てる場合もあるため、回答の状況を確認し、すぐに対応することが大切です。
手作業の申請の限界と、自動化の方法
複数のShopeeマーケットプレイスを監視しようとすると、手作業の権利行使はすぐに手に負えなくなります。出品は国をまたいで複製され、出品者は新しい名前で再出品し、アフィリエイトによるプロモーションは次々と展開されます。
そこで役立つのがMarqVisionです。
- 自動監視:当社のAIが、Shopeeの全マーケットプレイスで侵害コンテンツを継続的にスキャンします
- 高精度の検知:明らかな模倣品も、見分けにくい類似品もとらえます
- 一括削除ツール:数百件のURLを一度に申請できます
- 再出品の監視:常習的な違反者や再出品の動きを監視します
- マーケットプレイスへの働きかけ:お客様に代わってShopeeのプラットフォームチームと直接連携し、権利行使の迅速化を支援します
MarqVisionなら、Shopeeの全地域で何が起きているかを完全に把握でき、よりすばやく的確に対応できます。
よくある質問
Shopeeには、全市場をカバーする単一の権利行使ポータルがありますか。
Shopeeには、brandportal.shopee.comのShopee Brand IP Portalという一元化された窓口がありますが、実際の権利行使は国ごとに分かれています。各申請は、侵害出品が掲載されている市場の国別のトラスト&セーフティチームが審査します。シンガポールで削除に成功しても、マレーシアやベトナムで自動的に削除されるわけではありません。複数のShopee市場で事業を展開するブランドは、市場ごとに申請し、状況を確認する必要があります。
申請する国ごとに、知的財産の登録が必要ですか。
はい。Shopeeは、商標、著作権、特許、意匠の登録証のいずれであっても、侵害出品が掲載されている国で知的財産権が有効であることを求めています。自国の登録だけでは、その法域外の市場には通用しません。申請の前に、対象の各市場で知的財産権が登録されていることを確認しましょう。その国で現地の登録がないまま申請すると、Shopeeの現地の審査チームに却下されるか、後回しにされます。
申請した後、出品者が異議を申し立てることはできますか。
はい。Shopeeでは、出品者が自分の出品に対する申請に異議を申し立てることができます。そのため、権利行使は申請して終わりではありません。申請の状況を確認し、反論にはすぐに対応する必要があります。最初に十分な書類(知的財産権の明確な証拠、製品の比較、法域の確認)をそろえておけば、異議が認められるリスクを減らし、案件を前に進められます。
Shopee Liveやアフィリエイト販売は、なぜ模倣品を見つけにくくするのですか。
Shopee Live(ライブコマース)やアフィリエイトのストアを使えば、出品者は短期間で規模を広げ、国境を越えてリアルタイムで商品を宣伝できます。模倣品業者も同じチャネルを悪用しています。ライブ配信やアフィリエイトリンクを使えば、数時間のうちに複数の国で侵害品を紹介し、流通させることができます。ブランドのチームが出品を特定するころには、すでにいくつもの市場で購入者の手に渡っているかもしれません。このスピードによって効果的な権利行使ができる時間は短くなり、大規模な手作業の監視は現実的でなくなります。
複数のShopee市場での手作業の権利行使が手に負えなくなったら、どうすればよいですか。
模倣品がShopeeの国別マーケットプレイスで複製され、出品者が削除のたびに新しいストアで再出品するようになると、手作業の権利行使はすぐに破綻します。MarqVisionのプラットフォームは、AIによる検知でShopeeの全マーケットプレイスを継続的に監視し、数百件のURLの削除申請をまとめて提出し、再出品の動きを追跡し、Shopeeのプラットフォームチームと直接連携して権利行使を迅速化します。国境を越えた大規模な侵害に対応するブランドにとって、膨大な件数に先回りする現実的な方法は、自動化された監視と削除のツールしかありません。
Shopeeの侵害出品は、検知されてからどのくらいの速さで削除できますか。
Shopeeでの削除のスピードは、3つの要素で決まります。証拠一式がどれだけそろっているか、出品が掲載されている市場で知的財産権を現地登録しているかどうか、そしてその時点でShopeeの国別のトラスト&セーフティチームが抱えている申請の量です。現地での知的財産権の登録が確認でき、製品の比較が明確で、侵害URLが一括アップロード用にあらかじめ整理された、記録の整った申請をShopee Brand IP Portalから提出すれば、シンガポールのような市場では24〜72時間で進むこともあります。ただし、ブランド保護の削除にかかる時間は市場によって大きく異なります。申請の量が多い市場や、ベトナムやインドネシアのように手続きが加わる市場では、解決までにさらに時間がかかることがあります。
売上の損失が集中するのは、Shopeeの審査チームが申請を処理している時間ではなく、検知から申請までの空白期間です。手作業の監視では、ブランドのチームが出品を見つけ、スクリーンショットを撮り、証拠一式をそろえて申請するまで、何も動きません。その作業が終わるころには、動きの速い模倣品の出品がすでに数十件の取引を成立させていることもあります。侵害出品をほぼリアルタイムで見つけ出し、削除申請の内容をあらかじめ入力しておく自動検知ツールを使えば、この空白期間を大幅に縮められます。出品数が多いブランドや、新しいストアで再出品を繰り返す常習的な違反者に悩むブランドにとって、検知から削除までの時間を意味のある短さに保てるのは、自動監視だけです。
AIによるブランド保護は、Shopeeでの手作業の権利行使とどう違うのですか。
手作業の権利行使では、ブランドや法務のチームのメンバーが定期的にShopeeで侵害出品を検索し、証拠のスクリーンショットを撮り、市場ごとに申請します。この方法には構造的な限界があり、その天井は低いものです。手作業で検索するチームが現実的にカバーできるのは、その時点で公開されている出品のごく一部にすぎません。また、あるShopee市場で削除された出品者が別の市場に再び現れる国をまたいだ再出品は、次の手作業の巡回まで見つかりません。
AIを活用した権利行使は、検索・特定のステップを、Shopeeの全マーケットプレイスを同時に、継続的に自動スキャンする仕組みに置き換えます。定期的な巡回ではなく、ほぼリアルタイムで検知します。担当者が出品をひとつずつ確認するのではなく、AIモデルが大規模に類似度を評価し、完全に一致する模倣品だけでなく、キーワード検索では見逃してしまう類似品、ブランド名のわずかな表記違い、コピーされた製品画像も検知します。実務上の違いは2つの点に表れます。量(自動化されたシステムは、手作業のチームより桁違いに多くの出品を処理できます)と一貫性(チームの人員、休日、案件の滞留に関係なく、スキャンが止まらず動き続けます)です。MarqVisionは公開している製品ドキュメントで、明らかな模倣品と見分けにくい類似品のどちらについても、AIの検知精度が94%を超えていると報告しています。
Shopeeで販売された模倣品で失った売上を、ブランドはどう取り戻せばよいですか。
Shopeeでの模倣品被害からの売上回復は、2段階の課題です。いま起きている流出を止めることと、失ったものを数値化することです。模倣品が1点売れるたびに正規品の販売が1件失われ、粗悪な商品を受け取った購入者はリピート購入から離れ、苦情が寄せられればカスタマーサービスのコストがかかります。権利行使で効くのはスピードです。出品を早く削除するほど、自社ブランドの犠牲の上に成立する取引は少なくなります。
実際の回復は、単発の出品への後手の申請ではなく、稼働中のすべてのShopee市場での体系的な削除から始まります。削除のスピード、つまりどれだけの出品が、どのくらいの期間、どの市場で公開されていたかを記録しているブランドは、失った売上を数値化するためのデータ基盤を築けます。必要に応じて、現地の知財専門の弁護士を通じて出品者単位の損害賠償を求める根拠にもなります。インドネシアやフィリピンのような市場では、現地で登録した知的財産権が、プラットフォームでの削除にとどまらない民事上の権利行使の根拠を強めます。自動監視は、検知から削除までの時間を大幅に縮めます。模倣品の出品が見つからないまま長く続くほど、ブランドのチームが気づく前に奪われる売上は大きくなります。
Shopee以外に、模倣品を監視できるマーケットプレイスやプラットフォームはどこですか。
Shopeeは、より大きな模倣品ネットワークの一拠点にすぎません。Shopeeから削除された出品者は、Lazada、Tokopedia、Shopee自身の越境チャネルであるSIP、さらには同じ東南アジアの市場で展開するTikTok Shopのようなソーシャルコマースなど、隣接するプラットフォームで再出品することが少なくありません。模倣品の組織がひとつのプラットフォームにとどまることはまれで、購入者の流れを追って移動します。Shopeeだけを対象にした権利行使では、同じ出品者がほかのあらゆる場所で活動を続けることになります。
プラットフォームのカバー範囲が最も重要になるのは、侵害している出品者が複数のチャネルで事業を展開しているときです。同じ出品者がLazadaマレーシアやTokopediaインドネシアで出品を続けているのに、Shopeeシンガポールだけを監視していても、問題のごく一部しか解決できません。効果的な権利行使では、ひとつのマーケットプレイスにとどまらず出品者の活動範囲全体を洗い出し、個々の出品ではなく組織そのものを削除の標的にします。MarqVisionの監視は、Shopee、Lazada、Tokopedia、Amazon、TikTok Shopなど、主要なグローバル・地域のマーケットプレイスをカバーしており、プラットフォームをまたいだ出品者の追跡と、市場をまたいだ連携した権利行使を支えます。
Shopeeで無断販売者による値崩れを防ぐにはどうすればよいですか。
Shopeeの無断販売者(並行輸入業者や、横流し品を扱うアフィリエイトの転売業者を含む)は、主に2つのチャネルでブランドの価格を切り崩しています。Shopee International Platform(SIP)による越境出品と、MAP(最低広告価格)を下回る価格で商品を表示するアフィリエイトのストアです。構造的な問題は、Shopeeが国ごとに分かれているため、ある市場で価格違反があっても、別の市場では検知されないことです。
これを止めるには、2つの異なる対応ルートを見極める必要があります。出品者が無許可のルートで仕入れた正規品を出品しているなら、主な手段はMAPの徹底と流通契約の厳格化です。上流で在庫が流出している地点を特定し、並行輸入品の転売業者への供給を断ちます。出品者が正規の安売りに見せかけて模倣品を安値で出品しているなら、それは知財の権利行使の問題であり、商標権や著作権の侵害としてShopee Brand IP Portalから申請すべきものです。2つのルートを混同すると、申請が誤った窓口に回され、止まったり却下されたりします。両方の問題が同時に起きている場合は、相手がどちらのタイプの出品者かを見分け、それぞれの案件を適切な対応ルートに振り分けられる監視ツールが必要です。
まとめ:ひとつのプラットフォームに、多くのマーケットプレイス
Shopeeはひとつのストアではありません。動きの速い国別のマーケットプレイスが集まったネットワークで、それぞれに個別の対応が必要です。ライブコマース、アフィリエイトマーケティング、越境販売の拡大とともにプラットフォームが進化する以上、権利行使の戦略も進化させなければなりません。
これから対策を始めるブランドも、すでに東南アジアで自社製品のコピー品を目にしているブランドも、MarqVisionが先手を打つお手伝いをします。リスクではなく、ブランドが成長し続けるために。
