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ブランドの悪用は至るところに:分断された権利行使が失敗し、360°の保護が成果を上げる理由(2026年8月)

ばらばらの権利行使では、背後のネットワークを見逃します。マーケットプレイス、ドメイン、広告にまたがる悪用を出どころまで追跡する360°の保護を紹介します。2026年8月版。

Christopher ChaeHead of Marketing4分で読めます
目次9
  1. 転換点
  2. ブランドの悪用があらゆるチャネルに広がる理由
  3. 同じネットワークの2つの顔
  4. 分断のコスト
  5. 360°という答え:オンラインからオフラインまでをひとつのシステムで
  6. KPIを見直す:活動量から成果へ
  7. 悪用が至るところにあるなら、360°のコントロールが必要
  8. まとめ:カバーの抜けをふさぐ
  9. よくある質問

ダッシュボードの件数が、対処できる十数件から一晩で数百件に、週末には数千件にまで膨れ上がります。前シーズンに撮影を依頼した商品写真が、監視していないマーケットプレイスで無許可のブランド名で掲載され、3日前に登録されたドメインにリンクし、承認した覚えのない広告で宣伝されています。どのブランド保護チームにも記憶に残る転換点です。悪用が手に負えなくなり、あらゆる場所に現れる瞬間です。

マーケットプレイスのストアも、類似ドメインも、SNS広告も、そして投稿をいくら削除しても在庫を補充し続けるサプライチェーンも、動かしているのはひとつのネットワークです。一方、ブランドの権利行使プログラムは、おそらく3〜4社のベンダーに分かれています。マーケットプレイスに1社、ドメインに1社、SNSでの削除に1社といった具合です。各ベンダーは担当のチャネルだけを見て、自社が削除した分を請求し、削除件数を報告します。しかしその数字からは、組織の活動が実際に止まったかどうかはわかりません。模倣品となりすましが自社の販売チャネルすべてに広がると、部分的なカバーではネットワークを止められません。予算は、それぞれ自分の担当範囲しか見えない契約に分散し、その間に組織は契約の隙間を自由に行き来します。

要点:

  • 模倣品のネットワークは、マーケットプレイス、ドメイン、SNS広告、サプライチェーンをまたいで、ひとつの組織として同時に活動しています。
  • 3〜5社のベンダーに分かれたプログラムでは、各社が削除件数を報告しても、出品者のネットワーク全体を把握できる社はありません。
  • 削除件数はKPIとして不適切です。模倣品の露出率(Saturation Rate)とマーケットプレイスのクリーン率こそが、購入者が実際に目にするものを測ります。
  • 削除の活動量を成果指標に置き換えれば、CFOとジェネラルカウンセルが予算の妥当性を説明できるようになります。
  • MarqVisionは、2025年の社内データにもとづき、6,000万件以上の侵害を削除し、検証済みの削除承認率は99.1%と報告しています。

転換点

どのブランド保護チームにも、忘れられない日があります。いつもの短い検知リストを想定してダッシュボードにログインすると、件数が十数件から数百件に跳ね上がっています。翌週には数千件に達します。前シーズンに撮影した商品写真が、許可した覚えのない名前で、ほとんど監視していないマーケットプレイスに並び、3日前に登録されたドメインへ誘導する広告を通じて売られています。

この件数が示すのは、ブランドの悪用が単なる厄介ごとではなくなった瞬間です。模倣品の出品は、見込んでいた売上を奪います。偽のストアは、顧客がブランドに寄せていた信頼を損ないます。なりすましドメインはフィッシングのトラフィックを集め、その被害はいずれ法務チームや取締役会のもとに届きます。

この瞬間には覚えがあるはずです。何らかの形で経験されてきたことでしょう。本当の問題は、悪用がときどき起きるものから日常的なものに変わったとき、どう動くかです。

ブランドの悪用があらゆるチャネルに広がる理由

模倣品の組織が、出品者1人、出品1件で完結していることはまずありません。同じネットワークが、あるマーケットプレイスでなりすましストアを運営し、SNS各所で偽の広告を出し、類似ドメインを登録し、グループチャットやライブコマースの配信で購入者を集めます。在庫の流れを十分にさかのぼれば、出品をいくら削除しても出荷を続ける実在のサプライチェーンに行き着きます。

生成AIによって、こうした複製はすべて安価になりました。商品写真、ロゴ、パッケージの文言、さらにはストア全体を複製するには、かつては時間もお金もかかりました。今はプロンプトひとつで済みます。2025年時点で、新しいWebページの推定74%がAIを使用しており、なりすましの件数は前年の3倍に増えています。LafufuとLabubuのような注目の事例は、模倣品のネットワークがわずかに違う名前でほぼ同じ製品をいかに素早く生み出すかを如実に示しています。月曜日にマーケットプレイスの出品を削除された出品者が、水曜日には類似ドメインを登録し、木曜日にはそこへ誘導するSNS広告を出しています。チャネルを移るたびに、監視しているチームには新しい案件に見えます。しかし背後の運営者にとっては、入口を変えただけの同じビジネスです。

この広がりこそが、単機能のツールでは足りない理由です。ドメイン監視ツールはドメインを、マーケットプレイスのツールはマーケットプレイスを見るだけです。それぞれがカバーするのはごく一部で、悪用はその隙間へと移り続けます。

同じネットワークの2つの顔

多くのチームが別々の予算で扱っている2つの権利行使の課題は、実は同じ運営者によるものです。糸をたぐれば、つながっています。

模倣品対策:マーケットプレイスをSKU・出品者単位で見る

出品者が金曜日までに新たに3件出品するなら、偽出品を1件削除してもほとんど意味がありません。マーケットプレイスでの効果的な権利行使は、個々の投稿ではなく組織全体を把握します。当社は、SKU単位で正規品の製品データと照らし合わせて出品を分類し、共通の電話番号、住所、出品パターンをもとに背後の出品者をクラスター化します。そのため、同じ人物が新しいアカウントで再出品しても、新しい案件ではなく常習的な違反者として捕捉できます。規模は桁外れです。OECDの世界の模倣品貿易に関するレポートによると、模倣品はAmazon、Alibaba、Temu、各地域のマーケットプレイスの数百万件の出品に広がっており、1件ずつの対応では追いつけないように組まれたネットワークがそれを支えています。

なりすまし対策とデジタルリスク:ドメイン、フィッシング、ブランドの偽装

模倣品を売っているのと同じネットワークが、類似ドメインを登録し、決済ページを複製して認証情報を盗み、SNS各所でなりすまし広告を出しています。パターンは一貫しています。決済画面でブランドを装うために登録されたドメインは、本物の顧客の決済情報を、偽のストアを運営する同じ運営者へと流します。ブランドのプロモーションを装ったSNS広告が、そのドメインへトラフィックを送り込みます。顧客はお金を失い、その案件は、同じ週にマーケットプレイスへ提出した申請とは別の案件番号で法務チームのキューに入ります。多くのブランドは、これを別契約の別ベンダーに任せています。悪質な業者は同じで、チャネルごとに仮面を付け替えているだけです。これらを別々の問題として扱えば、二重に費用を払っても、全体像の半分しか見えません。

分断のコスト

分断されたプログラムのコストを試算すると、無駄はすぐに見えてきます。マーケットプレイスのベンダー、ドメイン監視ツール、SNSの削除サービス、ときには別の海賊版対策ツールと契約し、それぞれが、すべてのチャネルを自由に行き来する問題のうちひとつのチャネルだけを監視して費用を請求します。契約が3〜5件、ダッシュボードも3〜5個あるのに、組織全体を見ているものはひとつもありません。プログラムをまだ検討中なら、ブランド保護ガイドで、新たな契約を結ぶ前に統合プログラムがカバーすべき範囲を確認できます。

チャネル一般的なベンダー見逃すもの
マーケットプレイス模倣品対策ツールドメイン、広告、出品者のほかの顔
ドメインとフィッシングデジタルリスク対策ベンダー同じ購入者に商品を供給しているマーケットプレイスのストア
SNSと広告削除代行サービスサプライチェーンと常習的な違反者の正体

出品者のネットワーク全体を把握しているベンダーはいないため、Temuの出品者、類似ドメイン、Instagramの広告がひとりの運営者につながっていることを、誰も教えてくれません。各社が報告するのは自社の成績表、つまり削除件数です。5万件の出品を削除すればスライド上では成果に見えますが、カテゴリーがクリーンになったのか、売上が戻ったのかは何もわかりません。

オンラインでの削除は、画面の中で完結してしまいます。工場は出荷を続け、運営者は新しいアカウントを開き、今日空けた枠は明日の出品で埋まります。

360°という答え:オンラインからオフラインまでをひとつのシステムで

解決策は構造そのものを変えることです。模倣品対策、デジタルリスク対策、海賊版対策、並行輸入の監視をひとつのシステムでまとめて運用し、商標管理とMarqLawによるオフラインの法的な権利行使も同じ基盤の上で動かします。そのすべてが、出品者、SKU、知的財産権をひも付けるBrand Ontologyという単一のデータ基盤の上で動くため、あらゆるチャネルの権利行使が同じ正確な情報にもとづいて行われます。

この共通のマップがあるからこそ、当社は出品者のネットワークを出どころまでたどり、オフラインでも対処できます。UDRPの申立て、民事訴訟、刑事摘発、そして模倣品の大半が製造されているアジア全域での現地での権利行使です。

結果は明白です。2025年の社内データによると、当社は6,000万件以上の侵害を検証済みの削除承認率99.1%で削除し、新しいチャネルでは最大180倍の削除スピードを実現しました。また、年間売上80億ドルのグローバルCPGブランドが、8か月足らずでマーケットプレイスの露出率を20ポイント下げるのを支援しました。

KPIを見直す:活動量から成果へ

削除件数からは、取締役会が次の手を判断できる情報は得られません。予算会議で通用するのは、購入者が実際に目にする売り場を測る指標です。露出率、マーケットプレイスのクリーン率、回復した売上、そして検知後に脅威がどれだけ早く消えるか。ブランド保護のROIを理解するとは、活動件数から、財務チームが検証できる成果へと視点を移すことです。

露出率は、カテゴリーやSKUで有効な出品のうち、無断販売者が占める割合を測ります。1万件の出品を削除しても、数日のうちに同じ検索結果ページが新しい出品で埋まれば、露出率は横ばいのままで、ブランド名で検索した購入者には違いがわかりません。マーケットプレイスのクリーン率は、同じことを買い物客の側から問う指標です。ブランド名で検索したとき、結果のうちどれだけが自社のものか。どちらの数字もリスクにさらされた売上とカテゴリーの支配力に直結するため、予算の議論では削除件数よりはるかに説得力があります。

MarqVisionは、従来のベンダーと比べて露出率を20倍改善したと報告しており、顧客は通常12か月以内に年間売上の5〜10%を取り戻しています。CFOとジェネラルカウンセルが自信を持って説明できる数字です。

悪用が至るところにあるなら、360°のコントロールが必要

販売しているすべてのチャネルに悪用が広がった状態で単機能のツールをもうひとつ足しても、ふさがる隙間はひとつだけで、組織はほかの隙間から活動を続けます。本当に決めるべきなのは、部分的なカバーに費用を払い続けるのか、オンラインからオフラインまで一貫して動く保護に移行するのか、です。まずはBrand Exposure Reportで実際のリスクを定量化し、そのうえでどこから手を打つかを決めましょう。

まとめ:カバーの抜けをふさぐ

模倣品の出品者、フィッシングドメイン、偽の広告がひとつの組織につながっていることは、すでにご存じでしょう。しかし、ベンダーには自社のダッシュボードの外が見えません。前四半期に費用をかけて削除したのと同じネットワークが、今週もう3つの新しいストアを開いています。Brand Exposure Reportをお申し込みいただき、あらゆるチャネルでブランドの名のもとに実際に何が起きているかを定量化して、財務チームが納得できる根拠をつくりましょう。

よくある質問

ブランドの悪用がマーケットプレイス、ドメイン、SNS広告に同時に広がっているとき、ベンダーを増やすべきですか。それともひとつのプログラムに統合すべきですか。

統合しましょう。別々のベンダーはそれぞれひとつのチャネルだけを見て自社の削除件数を報告するだけで、Temuの出品者、類似ドメイン、Instagramの広告をひとりの運営者までたどれる社はありません。予算が分散する一方で、ネットワークは無傷のまま残ります。模倣品対策、デジタルリスク対策、並行輸入の監視を共通のデータ基盤の上で運用する統合プログラムなら、チャネルを移るたびに新しい案件として扱うのではなく、運営者を追いかけてチャネルをまたいだ権利行使ができます。

露出率とは何ですか。ブランド保護の成果を測るうえで、なぜ削除件数より重要なのですか。

露出率は、カテゴリーやSKUについてマーケットプレイスで有効な出品のうち、無断販売者が占める割合を測ります。つまり、購入者がブランドを検索したときに実際に目にするものです。削除件数からわかるのは何件削除したかで、露出率からわかるのは検索結果ページがクリーンになったかどうかです。削除から数日のうちに同じ枠が新しい出品で埋まれば、件数は増えても露出率は横ばいのままで、財務チームは根拠のある数字を手にできません。露出率とマーケットプレイスのクリーン率はリスクにさらされた売上に直接換算できるため、CFOとジェネラルカウンセルが実際の判断に使える指標です。

MarqVisionのSKU単位の検知は、新しいアカウントで再出品して逃れようとする模倣品の出品者を、どう捕捉するのですか。

MarqVisionのFull-Stack Detectionは、ブランド名やロゴの照合にとどまらず、個々のSKU単位で各出品を正規品の製品データと比較します。そのうえで、共通の電話番号、住所、出品パターンをもとに、検知した出品の背後にいる出品者をクラスター化します。同じ運営者が削除後に新しいストアを開いても、出品者グラフが新しい案件ではなく常習的な違反者として特定するため、個々の投稿ではなくネットワークを対象に権利行使できます。

デジタルだけの権利行使で模倣品の組織を止められますか。それとも、サプライチェーンを断つには必ずオフラインでの対応が必要ですか。

デジタルでの権利行使で出品やドメインは削除できますが、サプライチェーンそのものを断たない限り、工場は出荷を続け、運営者は新しいアカウントを開きます。同じ出品者クラスターが削除から数日で再び現れるような、再出品を繰り返す組織に対しては、UDRPの申立て、民事訴訟、刑事摘発、製造拠点のある市場での現地での権利行使といったオフラインの対応こそが、出品の削除と実際のネットワーク壊滅との間の溝を埋めます。

現在のベンダーがすでに多くの削除件数を報告している場合、360°のブランド保護の予算をどう正当化すればよいですか。

数字を示す前に、KPIを見直しましょう。削除件数が測るのは活動量であって成果ではなく、取締役会はそれを判断材料にできません。代わりに、露出率、マーケットプレイスのクリーン率のスコア、回復した売上の数字をそろえましょう。これらは、財務チームが検証できる金額に直接換算できます。計算式の一例として、年間売上×模倣品による売上流出率×回復率で、CFOとの議論にも耐える回復可能な売上額が得られます。MarqVisionのBrand Exposure Reportは、チャネル横断の実際のリスクを3営業日以内に金額で定量化するため、根拠づくりの前に基準となる数字を押さえられます。

執筆者

Christopher Chae

Head of Marketing